Interview
- >
- interview
- 佐藤 錬【2】
未完のアルケミスト
-トライアスリート
佐藤 錬-【後編】
Entry.07
佐藤 錬
Ren Satoh
Q.ランはどのような展開でしたか?
自分の目標として33分台で走りたいというのがありました。自分の持ち味は後半ラスト1周なので、そこでどれだけ粘れるかというところが勝負で、自分のペースで行こうと考えていました。
バイクを降りた時に脚は重くて、いつもよりピッチを多めにして走りまひた。体感は1.5倍くらいのピッチで走ってる感じ、これもつかな〜と不安に思ったこともあるんですけど、意外にもちました。終始目の前に石塚祥吾さん(日本食研)がずっといたので、祥吾さんに遅れを取らないように自分のペースで走ることを意識しました。自分の中ではラスト1周で抜ける確信があったので4周目が始まって祥吾さんを捉えにいったら康貴(山本康貴:AS京都・立命館大学)もオマケでついてきて、最後抜けたって感じです。
ランニングで自分の持ち味の粘り強さは出せたかなと思います。
最終的な順位は7位。この四年間で急成長を遂げた佐藤選手を褒め称える人も多いが満足はしていない様子が伺えた。目の前には新たな課題が見えている。
Q.目標としていた6位入賞に届かなかったのは何が足りなかっと思いますか?
そこは単純に実力のなさと、詰めの甘さです。根本的な実力の差はもちろんですけど、トランジッションとか技術の面でもっともっと磨ける面があるので、そこはもう少し煮詰めていきたいなと思います。
スイムスタートで転んだりするミスとか。
ああいうところはリザルトに反映されるわけではないので、転びましたって言ってそれがリザルトに書かれてタイムに加味されるなら違いますけど、そういうわけではないので絶対的に無くさなきゃいけないところだと思います。
ミスを無くすこと、それと技術ですね。トランジだったり、バイク集団での立ち回りだったり、言い方を良くすれば伸び代があるので自分では詰められる部分があると思います。
着実と力をつけていく中で、今シーズンは新しく海外レースに挑戦している。新たな挑戦を続ける佐藤選手は、目標を定める中でどのような困難と立ち向かっているのだろう。
Q.今シーズンは日本選手権以外に、海外のレースへの出場が目立ちました。そこでの難しさを感じることはありましたか?
日本と大きく違うのは事前の準備が重要だなということです。こちらが行く立場になることで移動の疲れはあります。それこそ、今までやってきたことが移動でパーになったりすることも考えられなくはありません。事前の準備っていうのは国内のコンチネンタルカップより大事になってくるかなと思います。
※コンチネンタルカップ、アメリカ・アフリカ・オセアニア・ヨーロッパ・アジアの五大陸で開催されるITU公認の国際レース。ITUポイントを獲得できるレースの中で、最も出場しやすい。2017年に開催される国内のレースでは、蒲郡、大阪、高松、村上が該当する。
※ワールドカップ、コンチネンタルカップの上位大会。獲得できるITUポイントが大きくなるため出場選手のレベルも高くなる。2017年に開催される国内のレースでは、宮崎が該当する。佐藤選手は強化B指定、認定記録会5級(男子24分09秒、女子27分10秒)の派遣標準を突破しての出場。
あとは、海外のコンチネンタルカップとかワールドカップに出るようになり事前の情報がないと感じました。日本国内だとこの選手はスイムが強いからついていこうとか、まあ自分に知識がないっていうのもあるんですけど、そういう情報があまりありません。自分に頼るしかないというところで行き着いた結果だとやっぱり実力を上げるしかないなと思います。
日本人がレースで結果を出すためには、個人だけでなく日本チームで動くことが重要ではないだろうか。単身で海外のレースに飛び込むことよりも、チームで出場する方がいいのではないかと尋ねる。