Interview

未完のアルケミスト

-トライアスリート

佐藤 錬-【後編】

Entry.07

佐藤 錬

Ren Satoh

Q.今年の日本選手権は新たなターニングポイントとなったのではないでしょうか?
日本選手権を振り返ってみてください。

日本選手権、2回目の出場だったので、去年よりも上の成績を出したいっていうのは第一の目標でした。なにより去年何もない状況からこの一年でジャパンランキングも上位になりました。一応肩書きもついて、ある程度は順位が求められる中でそのプレッシャーは感じていました。
自分の目標は6位入賞だったので、それを目指していましたが結果的にはダメでしたね。
でも多分、トライアスロン始めて一番きつかったレースで、一番楽しかったレースでした。

Q.きつかったとは、どういう意味でしょうか?

精神的にということもあるし、プレッシャーということが大きかったです。結果次第で人生かかっているというところもあってナーバスになっている部分がありました。インカレとかでの成績は、上の方でいつも戦っていますが、日本選手権は学生の中とは違うんですよね。やっぱり、かかるプレッシャーも学生レベルから日本レベルになり、やらなきゃいけないことも学生レベルから日本レベルになり、スケールの大きさが違うかなと、振り返ってみると楽しかったしきつかったです。


バイクの途中、先頭集団から1人飛び出たシーンが印象的でした。


あれはアタックではなくて、普通にローテーションしていて後ろが付いてきてなかったというだけで、多分応援とかもあって勝手にペースが上がってたのかもしれないです。コーナーだったというのもあって後ろとの距離が少し離れたというだけです。あんまり面白い話ではないですけど。アタックとかではなくて、普通に漕いで後ろが遅れているという感じでした。

Q.冷静になって集団に戻ったということですね?

その後に、渡部選手(白慈会)、山本選手(AS京都・立命館大学)のアタックがありましたがどのように思いましたか?


そうですね。そこについては、自分の中では楽しかったんですけど、冷静ではいれたので、その2人がアタックをかけた時に、この2人についていっても順位は下がるなと直感で思ったんです。それが正解か不正解かは分からないですけど、この前のアジアカップ村上のバイクがめちゃめちゃきつくて、それでランもめちゃめちゃきつくて走れなかったので、それが頭の中をよぎりました。
ここでバイク頑張っても走れなくなって、第二集団第三集団に抜かれるんだったらこの状況で脚を貯めることに専念した方がいいと判断しました。

アジアカップ村上とワールドカップ威海が終わってから、そのまま合宿に入って、改めてバイクをボコボコにされたことでバイクの力がついたと感じていました。だから今回はキツくはなかったです。そこで脚を貯めることに専念して、あえて行かなかったという感じでした。

Q.その時の集団内の雰囲気はどうでしたか?

そうですね。結局2人はランで回収できるっていうのはあったと思います。
それと集団に残った雄一さんが、こたさん(渡部晃大朗:白慈会)と同じチームなので、後押ししている感じもありました。
こたさんがアタックした時、雄一さんが集団の前に出たんですけど、雄一さんが集団をコントロールしてスピードを上げさせないようにした。っていうのは、実際どうかは分からないですけど、そういう感じは見えました。すれ違うたびに行け行けとサインを送っていたので、雄一さんが後輩を後押ししたっていうのはありそうです。