Interview

明日やろうは

バカ野郎だ!!
 

Entry.01

栗原 正明

Masaaki Kurihara

エース栗原正明は気づいた

復活してから競技成績は確かに上がっていった。トライアスロンはエイジグループランキングで優勝。デュアスロンは日本選手権で2回目の優勝を果たした。しかし、誰よりも高い表彰台に立っているのは、誰よりも注目を浴びるためではない。自分が出来ることは、その頂点からの景色をたくさんの人にシェアすることだった。1番高いところにいれば、確かに目にはつきやすい。だけど、それは決して続くものではない。応援され続けるために、しなくちゃいけないことは、自分が1番応援する人になることだと気が付いた。

自分が1番応援する人になって、そして、自分が1番応援される人になる。そうすれば自分のできることの意味がさらに加わる。応援してくれた人に、人より得意な競技の少し高いところにある景色のシェアをする。普段だったら見ることの出来ない景色を送ることができる。限られた人にしか見ることの出来ない世界を体験してもらうことができる。そうやってみんなで夢を追うことができる。

栗原正明は変わらない。
けれど、栗原正明は変わり続ける。

子供の頃から目立ちたがり屋だというのは変わらない。だけどその目立つ方法は順位だけじゃないことが分かった。自分だけに興味しかなかったけど、他人を本気で応援してみて初めて分かることがあった。応援されたいと思っているのに、応援する人の気持ちが分かっていなかった。
大学時代からずっとエースと呼ばれ続けてきた。最初は少し馬鹿にされたように。次第に本当に大学のエースになったように。年下の学生に負けて悔しい気持ちを持ったように。そして今、胸を張ってエースと名乗ることができるように。エースという言葉はずっと同じだった。だけど、その意味は、そのときの気持ちによって変わっていく。まるで鏡みたいだ。鏡はその姿や形は何も変わらないはずなのに、映される人間が変われば、映す姿も変わる。



これからもエース栗原正明は変わることはない。そして、エース栗原正明は誰よりも変わり続ける男だ。

「明日やろうは馬鹿野郎だ‼︎」
大切にしているこの言葉も、読む人、読むとき、読む場所によって変わるのかもしれない。