Interview

デュアスリートは

二度走る
 

Entry.06

深浦 祐哉

Yuuya Fukaura

トランジッションー引退の予感ー

デュアスロンの世界での引退は、プロ野球のように誰かに宣告されるものではない。パフォーマンスの低下があっても、自分が続けている以上は現役であり続ける。
一線を退くのは、気持ちが低下した時だと考えている。2016-2017シーズンには引退していく選手はこういう気持ちなのかなと思いながら過ごしていた。このまま消え入るように引退するのかと感じ始めていた。
そんな中で、2017年1月に行われたカーフマン北関東ステージで気持ちが入れ替わる。当時大学生であった中村祐輔選手、安松青葉選手に先着を許すと、負けたくないという気持ちが残っていたことに気づかされる。

深浦祐哉のデュアスロン人生はまだ終わっていない。
探りを入れるように走り始め、
一度の優勝から勢いに乗って自転車を漕いで、
そこから降りてもまた走り始めたのだ。

2ndランへーゴールが近づいているー


もちろん、終わりが近づいて来ている感覚も捨てられない。年齢を重ねると怪我までもが心を折りにくる。
それでも、まだ深浦祐哉は走り続ける。
デュアスリートは2回走るのだから。



『皇帝』となっても世界では通用しなかった。国内のレースでは1番強いという自負がある中でレースをコントロールすることができた。しかし、海外のレースでは同じレースができない。自分よりも実力のある選手がレースを引っ張り、そこを掻き分けるようにレースに挑んだ。国内ではないような潰れ方をしてしまう。日本人の中でも1位になれないことが続いた。


深浦祐哉のデュアスロンはまだゴールに至っていない。それは世界で活躍することなのか、国内で大会を盛り上げることなのか、新たな世代を強くすることなのか。

結果はまだ出ていない。
無人島だった場所は、
一時代を築いた場所は、
どのような場所に変化しているだろうか。

『皇帝』深浦の軌跡はどこまで伸び続けていくのだろうか。

もう少し前へ、
まだゴールは見えない。