Interview

社会人

トライアスリート

安藤紀幸の邂逅

Entry.04

安藤 紀幸

Noriyuki Ando

安藤紀幸の世界選手権

そしてironman70.3世界選手権に出場した。
今までにこんなやついなかったと、会社は応援してくれた。その期待が力になった。
自分がトライアスロンの世界選手権に出ようと、会社の業務には全く関係はないけれど、トライアスロンが何かを繋いでくれるような気がした。
このことで、誰かがトライアスロンを始めるかもしれない、興味を持つかもしれない。誰かとトライアスロンを引き合わせて、少しでも盛り上げることができるなら、もしかしたらそれは会社の中で自分しかできないことなのかもしれない、と思う。



世界選手権は、アメリカのチャタヌーガで行われた。テネシー川を泳いでレースが始まる。ゴーグルを着けて、水中に潜ると視界は狭くなる。色んなものが見えなくなって、自分の身体しか信じるものはなくて、何かを掴み取ろうと必死に泳ぐ。レースがなければ、行ってみようなんて発想にも至らないような場所を手探りで泳ぎ続ける。


スイムを終えると、一気に視界が広くなる。アメリカは、世界は、こんなにも広いのだと思い知る。
バイクでは現地で購入したRUDYのヘルメットを被る。風を切るようにして進み、険しいコースを乗り越えていく。

バイクを終えて、安藤はサングラスをかけた。


学生時代、トライアスロンではなく、勉強で互いに助け合った友がいた。彼はある時、いつものお礼にと、サングラスを買ってくれた。学生時代はその真っ赤なサングラスを使い続けた思い入れがある。


それを手放したのは、また、その彼がプレゼントをしてくれたからだ。世界選手権の権利を獲得したお祝いと、世界選手権での活躍を期待して、新しいサングラスを購入してくれた。
お金のない学生時代とは違って、原宿のセレクトショップで、最新モデルのプリズムを選択した。


そのサングラス越しに見える世界は、
色あせることなく美しく見えた。



安藤紀幸の邂逅はこれからも続く。

トライアスロンと出会い、
トライアスロン部に出会い、
仲間に出会い、ライバルに出会い、
学友と出会い、
そして、社会に出て新たな人とまた出会う。

その全てが繋がって見える世界は、
まるで星座のように光っている。


それぞれの輝きを放つ星が繋がって
新しい姿を見せる。