Interview
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- 田山 寛豪
流通経済大学
トライアスロン競技部
監督に聞く
Entry.23
田山 寛豪
Katsuhiro Tayama
2017年10月15日
お台場で行われた日本選手権でトライアスリート田山寛豪は選手引退を表明した。最後と決めた大会で優勝の栄冠を手にして、惜しまれながらの引退となった。オリンピックに四大会連続で出場するなど、日本のトップ選手として世界に挑み続け、今後は指導者として世界への挑戦が始まる。その拠点は流通経済大学。2014年に本格始動し、学生選手権では2015年に一期生の古山大が個人優勝。2016年、2017年は団体優勝を果たすなど、早くも結果に現れている。
流通経済大学の強さの奥にあるもの、そして指導者としての思いにインタビューをした。
流通経済大学トライアスロン競技部は、いつ頃から創部を考えていましたか?
2012年のロンドンオリンピックが終わって、学生を強化したいと本格的に考えるようになりました。
高校を卒業してからプロになるのではなく、大学の四年間で学業に励みながらトライアスロンをする。プロではないので失うものは何もないじゃないですか。そういう思い切りのあるレースをその四年間にはできる。そして、そこを真剣に取り組めば世界に繋がる。
この大学の存在っていうのはオリンピックを目指す上ですごく重要な四年間だと思います。高校を卒業してすぐにプロ、プロにならなきゃオリンピックには行けない、ということではなく、大学生でもオリンピックに行けるっていうところまで強化していきたいなと思っています。
一期生にあたる古山大選手、杉原賞紀選手とはどのような出会いがありましたか?
タイシ(古山大)は、私が東京に練習に行っている時期があって、そこで大学にトライアスロン部を創りたいんだということは伝えていました。だから2012年の前には話していましたね。かといって、「来い」と言ったわけではないですけど、創部したいということは伝えていました。
タカ(杉原賞紀)は、ナショナル合宿で初めて会って、流通経済大学トライアスロン部を立ち上げたいという話をしていました。
これまでに入部した選手に声をかけた理由はありますか?
全員そうなんですけど、自分に似ているところがそれぞれあるんですよ。
あとは、見たい、と思うんです。見てみたいな、こいつ育ててみたいな、こいつ懲らしめたいな、っていう感覚があります。
この6人は全然性格も違うんですけど、どこか自分に似ているところがありました。直感ですね。
だから、今のU23やジュニアの選手に同じように感じることがあれば話しかけることはあります。こいつ行くんじゃないかな、とか思います。でもそれは結果を見てではなくて、挨拶とかそういうもので感じます。
創部当初は、特別な支援があったわけでもなく手探りな状態だったと語る田山監督。少数精鋭の選手はどのように集まっているのかと話を伺うと特別な勧誘はしていないと語った。
今はもう、ほとんど勧誘はしていません。声をかけることはあっても、既にチームに所属している選手は難しかったりします。サトシ(岩本聡)やホクト(小原北斗)は、小原工さんのところのエフォーツだったので、そういうところに行った時に「流通経済大学でどうだ?」という話はしたことはありますが、「絶対に来い」とか「うちに来たら学費が免除になる」とかそういうことはありません。よくある大学の体育会競技部のような勧誘方法ではなく、あくまでも自分の意思で来たいと言ってくれた選手が集まった形です。
今後もそのような方針は継続していきますか?
そうですね。めちゃくちゃ厳しく接した時に、「田山に来いと言われたのに何でそこまで言われなくちゃいけないんだ」とはなって欲しくありません。初めからそういう選手は来ないと思いますが、自主的に流通経済大学の先輩と練習がしたいとか、田山の指導を受けたいとか、そういう気持ちのある選手を取りたいです。声をかけることもありますけど、最終的に決めるのは本人で、入る前は何回も言います。「めちゃくちゃ厳しいよ。それで大丈夫なら来い」と。「その代わりに必ず強くして結果を出せるように私はする」と約束をしています。
具体的にどのように厳しく接するのでしょうか?
(同席した選手を見渡しながら)
ね。笑
厳しいというか細かいんですよ。多分、選手からしたら、「何でそこまで言われなきゃいけないんだ」ってところまで言ったりします。私はチームの雰囲気を大切にするので練習の返事や掛け声などで一人の態度が悪いと怒ります。「お前のその態度でこのチームの雰囲気が崩れる」と。
苦しいことをやる時に、チームの雰囲気が崩れていると、キツイことを乗り切れないですから。その時に仲間の存在があって雰囲気がいいと思い切って行けたり、テンションが上がって行けたりするので、そういうところを厳しく指導しています。